扶養内でいくらまで働ける?開業届を出したフリーランス主婦の場合

お金管理

最近はフリーランスの主婦がものすごく増えてきましたよね。

夫の扶養内でお小遣い稼ぎ程度のフリーランスをしている主婦も多いですが、開業届を出して青色申告のフリーランスとして本格的に働きはじめる人も多くなってきました。

そんな主婦がおそらく一度は考えるのが、「夫の扶養から外れないかな?」ということでは?

なやみびと
なやみびと

開業届を出して青色申告のフリーランスとして本格的に働きたいけど、会社員の夫の扶養から外れるのは困るかも・・・

扶養のままだといくらまで働いていいの?103万とか130万??

働き損はしたくない!

今日はそんなあなたのために、開業届提出済み・青色申告をしている扶養内フリーランスの私が、「会社員の夫の扶養から外れない収入の目安」をご紹介します!

フリーランスの扶養に対する「壁」は、普通のパートなどとは考え方が異なるので、しっかりチェックしておきましょう。

この記事でお伝えしたいこと

  • 扶養から外れない収入の目安
  • その他にフリーランスが気をつけたい収入のボーダーライン
  • 扶養から外れると払うことになる金額
  • おすすめの収入上限

扶養から外れない収入の条件

一般的に扶養と呼ばれているものは下記の2種類です。

  • 厚生年金や健康保険などの社会保険上の扶養
  • 配偶者控除・配偶者特別控除の税制上の扶養

これらの扶養から外れない収入の条件をご紹介していきます!

社会保険上の扶養

主婦が社会保険上の扶養に入ると、負担ゼロで夫の社会保険に入れるというメリットがあります。

扶養から外れて自分で年金と健康保険の保険料を払うとなるとかなりの負担です。

ぶちょ
かえで

扶養から外れると、自分で年間20~30万円ほど支払うことになるので、収入によっては働き損になってしまうこともあります!

だからこそ、社会保険上の扶養から外れない目安はしっかり確認しておきましょう!

厚生年金の扶養から外れない条件

厚生年金の場合、必要経費を差し引いた事業所得や、雑収入などを合わせた総収入が130万円未満であれば扶養範囲とされ、年金保険料を負担せずに国民年金第3号被保険者となれます。

【厚生年金の扶養から外れない条件】
  総収入-必要経費=130万円未満 であること

例:フリーランス主婦の年間の申告額

  • 売上:150万円
  • 必要経費:25万円

この場合、総収入150万円-必要経費25万円=125万円 です。
扶養の条件を満たすので売上が130万円を超えても扶養から外れません!

ぶちょ
かえで

パートなどの給与所得者とは違い、

必要経費を引けるのがポイントです!

※青色申告者は経費を申告できるので、忘れずに申告しましょう!

なやみびと
なやみびと

130万円の壁ってよく聞くけど、

フリーランスだと必要経費を引けるから

130万円+α(必要経費分)の壁」なんですね!

健康保険の扶養から外れない条件

次に、健康保険の扶養に関してですが、夫が加入している健康保険組合によって異なるのが現状です。

夫が入っている健康保険組合に必ず問い合わせましょう!

よくあるのが下記の3パターンです。

【健康保険の扶養から外れない条件(下記のいずれか)】 
※この先1年の見込み年収で判断する

  • 総収入-必要経費=130万円未満 であること
  • 総収入=130万円未満 であること
  • 収入を問わず個人事業主はNG・・・

「130万円」とする健康保険組合が比較的多いようですが、注意したいのは130万円と言われた場合、経費を引いても良いかということ。

フリーランスは経費である程度の調整ができることもあるので、健康保険組合に確認するときは「収入から経費を引いた金額で良いか」という点を必ず確認しましょう!
経費を引ける場合は売上が130万円を超えても扶養から外れない場合があります。

また、個人事業主自体がNGという健康保険組合もあるので要注意ですよ。

ぶちょ
かえで

個人事業主がNGなら、これはもう仕方ないですね・・・

腹をくくって自分で健康保険料を払いましょう。

細かい条件は健康保険組合にしっかり問い合わせてくださいね。

税制上の扶養

税制上の扶養とは、配偶者控除・配偶者特別控除が受けられることを意味します。

メリットは、夫の所得税や住民税の負担が軽くなるところです。

こちらも、妻の所得によって適用されるかが決まります。

配偶者控除・配偶者特別控除を受けられる条件

青色申告のフリーランス主婦の場合、夫の税負担(所得税・住民税)を軽くできるのは、以下のどちらかにあてはまる場合です。※夫の所得が1000万円を超えると妻の収入に関係なく適用外となります。

【配偶者控除ができる条件】
  収入-経費-55万円(一定条件で65万円)=48万円以下 であること
   ※上記の55万円は青色申告特別控除額。
【配偶者特別控除ができる条件】
  収入-経費-55万円(一定条件で65万円)=48万円超133万円以下 であること
   ※上記の55万円は青色申告特別控除額。
ぶちょ
かえで

<参考>2020年より青色申告特別控除額は55万円(e-Taxによる申告等の条件を満たせば65万円)、基礎控除額は48万円に変更されました。注意してくださいね。※国税庁資料はこちら

上記の条件に該当すれば、夫の税負担を軽くできます。

ちなみに、計算結果が48万円を少しオーバーして「配偶者控除」に該当しなくなっても、95万円以下の範囲であれば、控除額は変わりません。「配偶者特別控除」という名称に代わるだけです。

ただし、計算結果が95万円を超えると徐々に控除額が減っていきます
これが「150万円の壁」というものです。
(逆算すると収入が150万円ということになるからです。)

青色申告のフリーランスの場合は経費が引けるので「150万円+α(経費分)の壁」ということになります。

詳しい控除額は次の配偶者控除・配偶者特別控除の所得控除額表を見てみてくださいね。

【配偶者控除】 ※2020年改正対応版
配偶者の
合計所得金額
※さっきの式で計算しましょう!
控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円
以下
900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
~48万円以下38万円26万円13万円
【配偶者特別控除】 ※2020年改正対応版
配偶者の
合計所得金額
※さっきの式で計算しましょう!
控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円
以下
900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
48万円超95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超100万円以下36万円24万円12万円
100万円超105万円以下31万円21万円11万円
105万円超110万円以下26万円18万円9万円
110万円超115万円以下21万円14万円7万円
115万円超120万円以下16万円11万円6万円
120万円超125万円以下11万円8万円4万円
125万円超130万円以下6万円4万円2万円
130万円超133万円以下3万円2万円1万円
なやみびと
なやみびと

収入ー経費ー55万円=95万円超 からは、

受けられる控除額がどんどん少なくなっちゃうのね!

その他にフリーランスが気をつけたい収入のボーダーライン

ここまで社会保険上と税制上の扶養についてご紹介しましたが、他にもフリーランスが気をつけたい収入のボーダーラインがあります。

扶養手当(家族手当)

夫が会社員の場合に気をつけたいのが、扶養手当(家族手当)です。
扶養手当の相場は一人あたり月々1万円~1万5,000円。
福利厚生として、扶養家族がいる社員に支給する会社が多いです。

ただし、扶養手当を支給するのは「扶養家族の収入が103万円まで」や「130万円まで」といった制限を設けている会社も多いです。

月1万円だとしても1年で12万円ですので、詳しい規定を夫の会社に確認したほうがよいでしょう

ぶちょ
かえで

働き損になってしまう極端な例をご紹介しますね!

例:「妻の年収が103万円を超えると扶養手当は支給しない」という規定の場合

  • 妻の年収102万円にする:扶養手当を18万円もらえる → 合計110万円
  • 妻の年収129万円にする:扶養手当の18万がもらえない → 合計111万円

この場合、妻だけの収入で考えれば圧倒的に129万円のほうが高く見えますが、夫婦の合計金額で考えると、27万円分の労働が1万円の価値になってしまうのです。

なやみびと
なやみびと

もしも夫の会社で決められた収入制限が103万までだったら、

無理に130万円を目指さなくてもいいかも💦

所得税

次に、所得が増えると、自分の所得に対して税金がかかってきます。

青色申告のフリーランスが所得税を支払わずに済むのは、下記の条件を満たしたときです。

【所得税がかからない条件】
  収入-経費-55万円(一定条件で65万円)-各種控除=48万円以下 であること
   ※上記の55万円は青色申告特別控除額。
ぶちょ
かえで

逆算すると、

「103万円+α(経費分+青色申告特別控除以外の控除)の壁」

ということになります。

この所得税に関しては、増えた所得に対して課税されるため、マイナスになることはありません。会社の扶養手当のほうがよっぽど大きいなダメージです。

住民税

ある程度所得が増えると、住民税もかかるようになります。

【住民税がかからない条件】
  収入-経費-55万円(一定条件で65万円)-各種控除=45万円以下 であること
   ※上記の55万円は青色申告特別控除額。

逆算すると、住民税がかかるようになる目安は100万円+α(経費分+青色申告特別控除以外の控除分)ということになります。

ぶちょ
かえで

いわゆる「100万円の壁」ですね。

税制改正によって2020年からは控除額が10万円下がって55万円になり、住民税の非課税限度額が10万円上がって45万円になっています。しかし、プラスマイナスゼロなので「100万円の壁」のまま変わりません。

住民税をいくら支払うことになるかは市区町村によって若干違うため、気になる方は市区町村に問い合わせてみてくださいね。

扶養から外れるといくら払うことになる?

扶養から外れた場合、国民年金が年間約20万円、健康保険料が年間約7万円ほどかかることも(収入や加盟している団体によって異なります)。この2つの社会保険料の負担だけでも約20万~30万円ほどの負担が1年間に増えます。

そして、夫の会社からの扶養手当がなくなるとしたら、年間12万円以上のマイナスになる可能性があります。

ぶちょ
かえで

合わせると30万~40万円ぐらいになっちゃいますね!

扶養から外れるのがますます怖くなってきた人も多いのでは?

そんな青色申告・フリーランス主婦のために、おすすめの収入額の上限目安を次にご紹介しますね。

おすすめの収入額

扶養から外れた場合の負担額をご紹介しましたが、それをカバーできるほどの売上を上げられる場合は扶養から外れても問題ありません。

ただ、微妙な場合は「130万円+必要経費の合計額」までに収めるようにしましょう。

もしくは夫の会社から扶養手当をもらえる範囲の収入額(103万円や130万円)に収めるのがおすすめです。

なやみびと
なやみびと

扶養内でできるだけ多く稼ぎたいし、130万円が目安かな?

でも先に夫に会社の扶養手当の規定を確認してもらおう!

ぶちょ
かえで

そうですね!

基本的には「130万円+必要経費の合計額」を売上等の収入の上限にして、あとは扶養手当(家族手当)の金額や条件を見て考えてみましょう!

ぶちょ
かえで

ちなみに、扶養から外れない&税負担をゼロに抑えるなら、「100万円+経費等の合計額」が目安かな。

まとめ

扶養問題に関しては、フリーランスだとパートなどの給与所得者とは計算方法が少し違うので分かりにくいことも多いですよね。働き損にならないようにしっかり計算していきましょう

ぶちょ
かえで

元々の数字が間違っていてうっかり扶養から外れる人もいます。「売上計算や経費計算が苦手で、扶養に関わる数字があっているか不安」という人は、迷わず会計ソフトを使ってくださいね!

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